近年、回転軸部のシールエンジニアリングにおける要求は、高速・高圧・高温・極低温の環境は極めて過酷になり、省エネルギー化・省スペース化と移り変わる一方で、更なる高性能化を必要としています。EEAはこのダイナミックシールエンジニアリングにおいて航空宇宙分野のパイオニアとして、培った固有技術のもとに更なる先端へと進みます。

MAINSHAFT FACE TYPE SEALS
航空機エンジンのメインシャフトシールは、圧縮空気および高温ガスと潤滑油をシールするため、燃焼器の入口や後方エグゾースト部では、高圧および高温下の極めて過酷な条件で使用されます。
フェイスタイプシールは軸と直角の回転摺動面でシールする端面摺動型で、固定側のシール本体と、軸に固定されて回転するメイティングリングからなります。固定側シールは摺動面にカーボングラファイトを使用し、シール荷重をスプリングで付加し、高温環境に対応してメタルピストンリングを二次シール部に使用しています。メイティングリングは摺動面に高温耐摩耗性のすぐれたクロムカーバイドをコーティングしています。また、ガスシールとしての作動環境になるためメイティングリングのシール摺動面には潤滑油を導入する構造が採られます。フェイスタイプシールはフィールドメンテナンスコストを最小とし、高信頼性を確保するするコンセプトに基づき構造設計され長寿命、高信頼性が最大に発揮されるシールです。

SEGMENTED SEALS
航空機エンジンのメインシャフトシールをはじめとし、ヘリコプタメイントランスミッションのインプットシャフトシールや高速回転機器の無潤滑ガスシールとして、省スペースで高性能化を実現しています。
セグメントシールは、カーボングラファイトの分割リング(シールリング)を組み合わせて、シャフトの外周面とシールリングの内径円筒面がシール摺動面となります。シールリング内周面には多数の溝があり高圧側のガス圧力をこの溝に導き圧力バランスを最大限にとっています。このことによりシール摺動面圧は端面摺動型高速メカニカルシールに比較して一桁小さくなり、クーリングユーティリティを含めた省エネルギー化・省スペース化に最適なシールです。また、シールリング内径面に微細なヘリカル溝を設け低差圧条件で発生しやすい潤滑油の漏れを防ぎます。
COMPACT MECHANICAL SEALS
コストパフォーマンスの高い700series、ハイパフォーマンスの800seriesがあります。
700eriesは静止側二次シール部にOリングを、800eriesは静止側二次シール部に金属溶接ベローズを用いた高速用シールで、液体のシールを対象としシール本体が固定され回転環が軸側に位置します。このため高速回転性能、ダイナミックバランス性能ともにすぐれています。特に800eriesはベローズの使用により高速追随性にすぐれ、極低温から高温域まで幅広い適用環境が特徴で、代表的用途としてロケットターボポンプシールがあります。700eriesは薄肉の超軽量タイプと、高負荷タイプがあり、航空エンジンのギアボックスやアクセサリー機器のシールとして使用されます。
相手のシール部品となるメイティングリングは、通常ベアリングに隣接して回転軸に軸方向に固定されます。高速用シールの相手となるメイティングリングは、シールの摺動発熱を効率よくにがし、また摺動部材料は耐摩耗特性の優れた材料が使用されます。シールに必要な摺動面の平坦度や回転面振れを確保するためメイティングリングの設計は構造的にもひずみの安定化が配慮されます。
SPECIAL APPLICATION SEALS
EEAは1967年から将来の液体燃料ロケット開発に備えロケットターボポンプ用シールの研究開発をおこない、1974年に世界で最も漏れ量の少ない液体水素シールを開発しました。その技術ノウハウはH-1ロケットのLE-5エンジンの液体酸素、液体水素のターボポンプシール開発をはじめとし、H-2ロケットのターボポンプシールの開発へと展開されています。
ロケットエンジンのターボポンプは、推進薬である極低温の液体酸素・液体水素を数万回転で200-400気圧に加圧してエンジンの燃焼室に送り込みます。このターボポンプは500-700℃の高温ガスによって駆動するため、ポンプ内部にある極低温の推進薬と高温の駆動ガスが接触すれば爆発する極めて危険な環境にあります。ターボポンプシールはこのような極限条件下にある高速回転軸において流体の接触や漏洩を防ぐシールシステムを構成します。
FLOATING-RING SEALS
フローティングリングシールは接触型シールでは限界のある高速領域、高圧・高温領域において、主としてガスをシールするための非接触型シールです。ハウジングに組み込んだカーボンリングとシャフト間に微小な隙間を保つよう設計され、ラビリンスシールに比較してガスリークを1/10前後に抑えることができ、機器の効率向上や軽量化、小型化をはかることができます。